カッティングシートの可能性を追求するデザインコンペ CS DESIGN AWARD

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第17回 CSデザイン賞 一般部門 受賞作品
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グランプリ
準グランプリ
優秀賞
中川ケミカル賞

2011年12月から2012年3月までに募集を行った、「第17回CSデザイン賞」一般部門の各賞です。

募集作品:カッティングシートおよびそれに準ずる装飾用シートを使用したもので、 2010年4月1日から2012年3月31日までに実際に制作された作品
応募点数:372点(応募127点 推薦245点)

グランプリ
Spainalight exhibition
Spainalight exhibition
Spainalight exhibition
Spainalight exhibition

ディレクター/Stone Designs
デザイナー/Eva Prego & Cutu Mazuelos
クライアント/ICEX
      (Spanish Institute for Foreign Trade)
グラフィックエージェンシー/Narita Estudio
施工/Acierta Product Team
フォトグラファー/Stone Designs & Masahiro Ohashi

イベントの主役は「光」です。光はスペイン人クリエイターたちに影響を与え、このSpainalightとして結実しました。展示会場には、さまざまな光が混じりあい投影され、現在の最高最新のスペインデザインの展示コレクションに命を吹き込みます。スペイン人デザイナーたちの多様性をクローズアップしたこの展示空間は、同時にそれらの価値を高めています。

展示をご覧になる方々は、スペイン企業が製品に込めた品質や情熱を五感で楽しみ、感じとり、そこに新しい意味を見出すことができるでしょう。そして結果として、観客こそがこのイベントの本当の主役になるのです。

光は、スペインのクリエイターと製造者、両方に等しく独自の言語を与えています。光は日々、私たちはもっと輝くことができる、私たちはそれにふさわしいのだと思わせてくれます。そしてスペインの夕暮れの光は、毎日やさしく、明日にむかって働き続けるのが意義深いことだと思い出させてくれるのです。

Spainalight展は、2011年11月1日~6日まで、東京デザイナーズウィークでの催しでした。

準グランプリ
IRO
IRO
IRO
IRO

ディレクター/原田 祐馬(UMA/design farm)
       池田 励一(池田励一デザイン)
デザイナー/池田 励一(池田励一デザイン)
      原田 祐馬(UMA/design farm)
クライアント/西岡 大輔(IRO)
施工/林 雍浩(株式会社嵩倉建設)
フォトグラファー/増田 好郎

2012年3月に大阪市内にオープンした美容室「IRO」のファサードデザイン。

ロゴデザインなどのグラフィックを原田が担当し、インテリアデザインを池田が担当しながら、二社で総合的にディレクションを進めた。ファサードを構成するバイアスは「IRO」のロゴコンセプトから導き出している。ロゴは、「IRO=色」をカラフルなものとして捉えず、日が昇り四季の気配を感じさせるものを色と捉え「IRO」の「O」を地球の地軸の傾き23.43°に回転させデザインをしている。そのコンセプトをインテリアにも応用し、大胆にファサード全面へフォグラスのサンドストライプを23.43°の角度で使用している。このことで空間におちる影や光によって時間や四季を感じさせることができ、変化していくインテリアの装置として機能している。また、室内の什器にも同じバイアスをいれることで、サンドストライプと什器の重なりから、モアレを発生させファサードに視覚的な動きがでることを目指した。

ポリゴン・ピクチュアズ
ポリゴン・ピクチュアズ
ポリゴン・ピクチュアズ
ポリゴン・ピクチュアズ

デザイナー/山田 尚弘(MITIITO)
デザイナー/酒匂 克之(MITIITO)
クライアント/株式会社ポリゴン・ピクチュアズ
施工/富士ビジネス株式会社
フォトグラファー/吉村 昌也(コピスト)

3DCGアニメーション制作スタジオのエントランススペース。仮想空間を扱う会社のクリエイティビティを、実空間で体現できるように[空間の知覚]をテーマに試みました。人の基本的な視覚認知を利用して、実際の空間に別のパースペクティブ空間を描き出しています。

描き出された架空の空間は、実空間の前後関係などとは一致せず、2次元とも3次元とも呼べない視覚の中で組み立てられた、架空の2.5次元空間を生み出しています。来訪者は移動することにより、実空間とその2.5次元空間の間を行き来するような、不思議な感覚を得ることになります。

これらの空間操作は訪れた人の視覚を刺激し、CG製作や映像の立体視とも大きく関わりのある表現として、この会社のユーモアと自由で豊かなクリエイティビティを体現しています。

2D/3D Chairs
2D/3D Chairs
2D/3D Chairs
2D/3D Chairs

デザイナー/山本 陽一(山本陽一建築事務所)
      伊東 弥生(山本陽一建築事務所)
クライアント/ELTTOB TEP ISSEY MIYAKE
      (株式会社イッセイミヤケ)
施工/株式会社モフ
フォトグラファー/山本 陽一(山本陽一建築事務所)

ステージから立ち上がる椅子の背と、
ステージの面に描かれた椅子の脚。
ショーウィンドウの前の一点に立ったとき、
3次元である椅子の背と2次元である椅子の脚が、
一体の像を結ぶ。
 
イッセイミヤケの服作りのテーマは、2次元の一枚の布から、3次元の立体的な服をつくることです。その概念を、2次元と3次元の間を揺れ動くインスタレーションとして表現しました。

優秀賞
コニカミノルタプラネタリウム 天空
コニカミノルタプラネタリウム 天空
コニカミノルタプラネタリウム 天空
コニカミノルタプラネタリウム 天空

ディレクター/森田 雅美(株式会社乃村工藝社)
デザイナー/中野 豪雄(中野デザイン事務所)
デザイナー/小杉 今日子(株式会社乃村工藝社)
クライアント/コニカミノルタホールディングス株式会社
       コニカミノルタプラネタリウム株式会社
エージェンシー/株式会社博報堂
施工/湯浅 建(株式会社乃村工藝社)
フォトグラファー/繁田 諭
        (株式会社ナカサアンドパートナーズ)

コニカミノルタプラネタリウム「天空」のホワイエ空間デザインは、「さまざまな光に導かれた宇宙空間への旅立ち」がコンセプトとなっている。
エレベーターホールからプラネタリウムホワイエに来館者が吸い込まれるような演出をフォログラムシートで表現されている、アルゴリズムパターンをもとに作り上げた2種類のオプティカルアートが担う。
壁面に展開されるこの独特なオプティカルアートは、「時空のゆがみ、星雲の輝き」という基本コンセプトだけではなく、スカイツリーの施設全体で表現されている「和」を「天空」らしく表現する為、国宝となっている「曜変天目茶碗の輝き」の再現を狙っている。結果、日本人の宇宙観を現代的・宇宙的に表現した、プラネタリウムらしいひとひねりした和の表現となっている。
ミラー状のシートが表現する独特の奥行き感、フォログラムの7色に変化する輝き、それに写りこむミラーボールの光の粒が宇宙空間であるプラネタリウムドームへの旅立つ来館者を包み込み、高揚させる装置となっている。

9 Gold「227十中破竹」展 出品作品
9 Gold「227十中破竹」展 出品作品
9 Gold「227十中破竹」展 出品作品
「9Gold」227十中破竹展 出品作品

キュレーター/ Kimiko Mitani Woo / MW Company
アーティスト/ Momorobo
クライアント/クリエイションギャラリーG8
施工
/ 株式会社中川ケミカル
フォトグラファー/ 宮本喜一朗

2012年2月に開催して「227十中破竹」展のMomorobo作品「9Gold」の一点。
「"9Gold"は豊かさと絶頂の象徴。静寂の雲の中で暴れ回る9匹の金魚たちの、幸運を呼ぶ構図。このアート作品は"永久不変"を表す中国のシンボルを具現化したもので、いにしえのメッセージに現代的なひとひねりを加えた。色鮮やかな万華鏡を通して見るような陶酔感、突然変異を起こした金魚たち・・・・・そこに現在という時間が侵入してくるのだ。」
 
8m×3mのガラス壁面を覆う黒いカッティングシートの作品は、ギャラリーを大きな水槽に見立て、その中で巨大な金魚たちがひしめきあっているようなイメージであり、また、「十中破竹」展の中国若手クリエイター達の溢れ出すエネルギーも象徴するような展示作品であると考えた。この作品のカラーバージョンも共同制作。キャンバスにプリントしギャラリー内に展示した。

鳴る光
鳴る光
鳴る光
鳴る光

アーティスト/曽谷 朝絵
照明デザイナー/萩原 克奈恵(萩原克奈恵照明設計)
データ制作者/田口 寛
展覧会主催者/横浜市民ギャラリー
       (公益財団法人横浜市芸術文化振興財団
       Yokohama Arts Foundation)
施工/牟田口 辰二(株式会社アダチ)
フォトグラファー/山本 慶太
          (株式会社ナカサアンドパートナーズ)

光は音を発している。光を感覚する時、私はいつもその音を聴いている。それは弦楽器のような音で、互いに反響しながら波紋のように広がっていく。そのような光が発する音の光景を視覚化したのが、このアート作品である。具体的には、視点や光源によって色が変わる粘着シートを水の流れや波紋をイメージした形に切り、空間全体に貼った。部分的に強い照明を当て、反射でできた光の図像を壁や天井に映し出した。観賞者は自由に作品の上を歩き周り、視点により変わる色や形、光の図像に映り込んだ自分の影、そして身体に映った光の模様などを体感し、作品の一部となる。本作品で光を全身で体感することが、今ここに満ちている光とその仕組みや法則に目を向けるきっかけになればよいと思う。そして視覚や聴覚、触覚などの五感の垣根を超えた、感覚することの本質に迫りたい。

FOGLAS×IROMIZU 「内包する色」
FOGLAS×IROMIZU 「内包する色」
FOGLAS×IROMIZU 「内包する色」
FOGLAS×IROMIZU 「内包する色」

デザイナー/小林 雅央(株式会社中川ケミカル)
照明デザイナー/山下 裕子(Y2ライティングデザイン)
クライアント/株式会社中川ケミカル
施工/椎名・高橋・齋藤(株式会社中川ケミカル)
フォトグラファー/小林 雅央(株式会社中川ケミカル)

スリガラス調シート「FOGLAS」と淡い透明色「IROMIZU」を使ったCSデザインセンターでの展示です。タイトル「内包する色」にあるように、IROMIZUの色を直接見せるのではなく、色の気配を感じられる表現を目指しました。外側は、すべてスリガラス調シートFOGLASで覆い、内側にIROMIZUをかさねてペットフィルムに貼ったものを吊るし、さらに内側には、LEDや、蛍光灯がLEDの点光源の集合体になるように細工した照明を仕込みました。また、屋外と屋内を隔てるガラス面では外光を照明代わりに利用しました。
光がドットに抜けた孔を通過し、点光源の集合体となり、IROMIZUを透過してFOGLASに色が投影される仕組みです。(点光源同士が干渉しあい、FOGLASの乱反射効果で予測不能な像が投影される)特に外光を光源に利用した部分は、その日の天候、時間によりドラマチックに変化していきます。

キネンシャシン
キネンシャシン
キネンシャシン
キネンシャシン

ディレクター/渋谷 翔(東北芸術工科大学)
デザイナー/渋谷 翔(東北芸術工科大学)
クライアント/うちのDEアート実行委員会
施工/渋谷 翔(東北芸術工科大学)

2011年10月8日から23日まで新潟市西区内野町で開催されたアートプロジェクト「うちのDEアート」に出品した作品。イベントのインフォメーションセンターや商店のショーウィドーにカッティングシートによって写真を撮るためのツールを設置した。カッティングシートでガラス面にグラフィックを施すことによって、来場者はそれを利用して髭や蝶ネクタイをつけたり、髪型を変えたり、動物に変身したりできる。そして、その姿を写真に記録する。人々はカッティングシートが貼られたガラス面に立つことによっておきる変化を写真に撮影したり、見たりすることで楽しんだ。ただ単にサインやグラフィック、模様などを施すだけではなく、カッティングシートを道具として活用する作品である。人々が関わることで、様々なコミュニケーションが生まれ、いろいろな表情を見せてくれる作品でもある。

中川ケミカル賞
トリアスモール
トリアスモール
トリアスモール
トリアスモール

ディレクター/福島 泰(株式会社ボノボ)
       堀江 健太(株式会社ボノボ)
デザイナー/天野 一(株式会社ボノボ)
      高橋 伸昌(株式会社ボノボ)
      瀬戸 貴央(株式会社ボノボ)
      林 健一(株式会社ボノボ)
クライアント/長縄 順一(久山プロパティ特定目的会社)
施工/湯ノ口 智治(株式会社イチケン福岡支店)
フォトグラファー/淺川 敏(Zoom)

福岡県郊外にあるTORIUS(トリアス)は広大な敷地内に物販店の他、レストランやシネマコンプレックスを有する大型複合ショッピングセンターのメインである当施設へ人々を呼び込むため、建物の約4分の1のスペースとファサード、エントランスを改修しました。
ファサード部分は既存のエントランス上部にあった棟屋を全て解体し、新たに建物部分を覆うように壁面前面へダブルスキンとなるようガラススクリーンと全長48mに渡るガラスの庇を設けました。垂直面の緑系の色は、ショッピングセンターを囲む山並みと呼応する色で、水平面は暖かい印象の暖色系を多く用いています。季節や時間により刻々と変わる太陽の位置や天候で、地面に投影される色つきの影がさまざまな表情を見せ、建物の印象が変化します。また、色影は飛び石のようでもあり、子供たちが自然と建物の前に集まってくるように誘っています。ファサードデザインと共に、歩道に落ちる影を意匠的にデザインすることで施設のまわりににぎやかさを演出し、多くの人々を自然と内部まで呼び込めればと考えました。
また、ファサード全体が穏やかな弧を描き色にグラデーションをつけることで、開口を広く、ダイナミックに見せる工夫をしています。

カレイドスコープ「モニーク・フリードマン展」 金沢21世紀美術館
カレイドスコープ「モニーク・フリードマン展」 金沢21世紀美術館
カレイドスコープ「モニーク・フリードマン展」 金沢21世紀美術館
カレイドスコープ「モニーク・フリードマン展」 金沢21世紀美術館

アーティスト/モニーク・フリードマン
キュレーター/ 吉岡 恵美子(金沢21世紀美術館)
施工/Glace Controle
フォトグラファー/豊永 政史

金沢21世紀美術館の中でも特徴的なスペースである、光庭(中庭)を横切るガラス貼りの通路を作品に転換しました。20色以上の色彩の正方形から成るフィルムシートがガラスのトンネルを覆い、そこを通る来場者の体に色のシャワーとして柔らかく降り注ぎます。また、色は通路を超えて光庭や屋内の床や壁へと映り込み、来場者に新たな空間体験を促します。刻々と変化する太陽の位置やその日ほ天候も取り込む《カレイドスコープ》は、色と光の表現の新しい可能性を体感する場となりました。

ocean of dots
ocean of dots
ocean of dots
ocean of dots

デザイナー/松本 哲哉
  (株式会社マツヤアートワークス一級建築士事務所)
クライアント/松尾 健一郎(株式会社松尾学院)
施工/松本 哲(株式会社マツヤアートワークス)
フォトグラファー/西松 利幸(西松写真撮影事務所)

クリアミラーの壁面や半透明のハーフミラー間仕切り壁にサイズ・位置ともにランダムな正方形を貼り付け、直行または合わせ鏡になるよう並行に配置。
その結果、正方形は全方向に永遠に広がり、更に正方形のサイズがランダムになっていることで鏡面までの距離感覚を狂わせる。
空間を歩くと無数の正方形が流れ、まるでドットの海に浮遊しているように感じる。