カッティングシートの可能性を追求するデザインコンペ CS DESIGN AWARD

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第18回 CSデザイン賞 一般部門 受賞作品
グランプリ
準グランプリ
優秀賞
審査員特別賞
中川ケミカル賞

2013年12月から2014年3月までに募集を行った、「第18回CSデザイン賞」一般部門の各賞です。

募集作品:カッティングシートおよびそれに準ずる装飾用シートを使用したもので、 2012年4月1日から2014年3月31日までに実際に制作された作品
応募点数:249点(応募118点 推薦131点)

グランプリ
市原湖畔美術館サイン計画
市原湖畔美術館サイン計画
市原湖畔美術館サイン計画
市原湖畔美術館サイン計画

ディレクター/色部 義昭[(株)日本デザインセンター]
デザイナー/植松 晶子・加藤 亮介
     [(株)日本デザインセンター]
クライアント/市原市
建築設計/川口有子+鄭仁愉[(株)カワグチテイ建築計画]
エージェンシー/アートフロントギャラリー
施工/(有)エムズ
フォトグラファー/遠藤 匡[(株)日本デザインセンター]

美術館改修プロジェクトのサイン計画です。白く四角い点線によって複雑で入り組んだ館内の導線をスムースに繋ぐサインシステムを設計しました。
モルタルなどの粗面にはシルクスクリーンで印字し、曲率の大きな壁面にはカッティングシートをマスキングとして活用してペンキで印字しました。
透明なガラス面や凹凸の大きな波板にはカッティングシートで展開。手をかざすと開くセンサー式の自動ドアサインや正面に立たないと見えない波板上の室名サインなど、来館者にその場で体感する楽しみを提供するようなサインコミュニケーションを試みました。

準グランプリ
企画展「田中一光とデザインの前後左右」 His Colors
企画展「田中一光とデザインの前後左右」 His Colors
企画展「田中一光とデザインの前後左右」 His Colors
企画展「田中一光とデザインの前後左右」 His Colors

ディレクター/廣村 正彰[(株)廣村デザイン事務所]
デザイナー/衛藤 隆弘[(株)廣村デザイン事務所]
クライアント/21_21 DESIGN SIGHT
施工/椎名太一・テクモリ
フォトグラファー/吉村 昌也

グラフィックデザイナー田中一光の軌跡をたどる展覧会の中のインスタレーション。田中はデザインだけではなく、製品の色彩選定をも手がけていた。中でも今も広く愛顧されているものに、「カッティングシート(CS)」と色紙「タント」がある。田中の色彩感覚や感性から選択された、豊富なカラーバリエーションを持つ「CS」と「タント」を、会場壁面から中庭へと色の帯が突き抜けるように敷き詰め、田中へのオマージュとした。

projects of altering letters
projects of altering letters
projects of altering letters
projects of altering letters

ディレクター/清水 玲
デザイナー/清水 玲
施工/村尾 耕一[(株)アイ工芸]・清水 玲
フォトグラファー/清水 玲

既存漢字の筆画を間引くことでひらがなやカタカナ、アルファベット等に置き換える、換字によるアートプロジェクトです。
換字の配置は、展示する場所・空間がもつ歴史的な背景や記憶(持ち主や関係者との対話)などからテキストをおこし、展示空間の採光や通風、室温などを参考にしながら決定していきます。床には、間引いた筆画が散乱しています。
鑑賞者は、空間に配置された記号の群れが、読むことのできる文字であることに気付いた瞬間から、見ることと読むことを反復しながらテキストと空間の関係との対話が始まります。
展覧会終了後には、参加者がプロジェクトに使用されたカッティングシートの文字を集めて各自言葉をつくって持ち帰るワークショップを行っています。

LOUNGE by Francfranc
LOUNGE by Francfranc
LOUNGE by Francfranc
LOUNGE by Francfranc

ディレクター/小坂 竜[(株)乃村工藝社 A.N.D.]
デザイナー/大西 亮・田村 憲明・竹内 宏法
     [(株)乃村工藝社 A.N.D.]
グラフィックデザイナー/黒田 潔[(株)KABWA]
クライアント/佐瀬 智胤[(株)バルス]
施工/相原 孝彦[大昌工芸(株)]
フォトグラファー/梅津 聡
        [(株)ナカサアンドパートナーズ]

ブランド誕生20周年を迎えた「Francfranc」が新たに展開するラボラトリー的フラッグシップショップ。
従来の店舗のイメージになかった「年齢層の高い人も入っていけるワンランク上のお店」とすることと、「新しいFrancfrancをどのように表現するか」が課題であった。50Mに及ぶテナントビルの無機質なカーテンウォールに対し、装飾的な建造物のイラストのレイヤーで全体を包み込み、新たなフラッグシップの顔ををつくりだした。イラストはガラス面にカッティングシートを施した「黒」レイヤーと、テント生地にインクジェット出力した「白」レイヤーの2層に分解。それぞれのレイヤーに「ずれ」や「陰影」などのアレンジを加えることで、シートの平面表現にはない独特な奥行と立体感を創出。人の視線やシークエンスを意識したファサード表現は近景と遠景で異なる印象を与え、多くの人が行き交う交差点でアイキャチとなるシンボリックなファサードとなった。

優秀賞
東京ミチテラス2012 STARLIGHT WALK
東京ミチテラス2012 STARLIGHT WALK
東京ミチテラス2012 STARLIGHT WALK

アートディレクター/於保 浩介・松島 純[WOW]
アートディレクター&ライティングデザイナー/山下 裕子
          [(有)ワイ・ツー・ライティング]
スペースデザイナー&ディレクター/池澤 和重
               [エイブルビーン(有)]
プロデューサー/小田原 耕治
       [(株)エンターテイメントボウル]
クライアント/東京ミチテラス2012実行委員会
企画制作/塩坂 勇哉・福井 明栄
    [(株)ジェイアール東日本企画]
照明チーム/荒殿力 [PGR UNIT]
設計施工/寺内 克敏・山崎 学[(株)コマデン]
     西部 直英・織田 健次[TSP太陽(株)]
     深井 亮太[(株)花とみどり社]
音楽/川瀬 浩介[川瀬浩介スタジオ]
フォトグラファー/小林 雅央
ムービー/山下 裕子[(有)ワイ・ツー・ライティング]

デザイン・形状の異なる複数のテッセレーションタワーで織りなす光と影の幻想体験。
2重構造になった幾何学模様のステンドグラスをイメージさせるアルミパンチングタワー(カラーカッティングシートを光の効果をイメージしながら貼った筒)を回転させ内側の光源を昇降させることで生まれるカラフルな光と影が広がり、集まり、交わる動きで、まるで映像のごとくアニメーションしながら、様々な模様をつくりだす。また光源を3種類(放電灯系150W色温度3500K/フィラメント系300W/500W色温度2700K)セットしプログラムで一層不思議な光影の重なりも構成の要素で加えプログラムした。
そうして現れる幻想的な光影の動きは行幸通りを照らし、ミチをテラス。
さらにお互いのタワーが呼応し合うかの様に光は混ざりあい、広がり、行き交う人の未来の時間 未知を照らす。
□テッセレーションとは、無限に連続する図柄のパターン紋様のこと(モザイク画やアラベスク紋様)
□屋外のイベントなので天候も過酷な中、クリアで鮮やかで、この場所、環境にフィットした色(Tuffcal透明色)から、選択構成。
□オリジナルの環境音楽と同調するかのような、呼吸をするような店舗で光を昇降させ、光影の動きをデザイン。

わが魂の記憶。そしてさまざまな幸福を求めて
わが魂の記憶。そしてさまざまな幸福を求めて
わが魂の記憶。そしてさまざまな幸福を求めて
わが魂の記憶。そしてさまざまな幸福を求めて

ディレクター/草間 彌生[(株)草間彌生スタジオ]
デザイナー/草間 彌生[(株)草間彌生スタジオ]
クライアント/白形・高須賀
  [道後温泉本館改築120周年記念事業実行委員会]
       宮崎 光彦[(株)宝荘ホテル]
コーディネーター/小林 裕幸・宮久保 真紀
        [(株)ワコールアートセンター]
施工/二宮 敏[NINO]
   飯野 康次[(株)田中工務店]

KITTE  エントランスサイン
KITTE  エントランスサイン
KITTE  エントランスサイン
KITTE  エントランスサイン

クリエイティブディレクター/原 研哉
           [(株)日本デザインセンター]
アートディレクター/三澤 遥
         [(株)日本デザインセンター]
デザイナー/三澤 遥[(株)日本デザインセンター]
プロデューサー/曽我 沙弥香
       [(株)日本デザインセンター]
クライアント/日本郵便(株)
エージェンシー/(株)アサツー ディ・ケイ
施工/(株)びこう社・(株)トライテラス
フォトグラファー/細川 類
        [(株)日本デザインセンター]

日本郵便が初めて手がけた商業施設「KITTE」のVI計画とエントランスサインをデザイン。東京駅目前という景観条例に配慮しながらも、サインとしていか人の目に触れられるように機能させるかを探求した。ロゴは「KITTE」単体でも機能するが縦長の長方形が等間隔で並んだユニットに展開することもできる。景観条例に基づき。1階のサインは色相を用いないグレートーンとなっている。
〈1F/メインエントランス〉 モーショングラフィックを用いて光のグラデーションからなる動的なサインを制作。KITTEの文字の一部にグレーのカッティングシートを貼り、光の透過性を変えることで、ロゴの配色を再現した。
〈1F/エントランス〉 ロゴの部分は切り文字でできている。それ以外の等間隔に並んだ長方形の部分は、半透明のカッティングシートを貼っている。こちらは光を用いずに透過性の違いでロゴを浮き上がらせたサイン。
〈B1F/地下通路エントランス〉 郵便局を象徴する赤と補色の青緑でできた展開型のロゴを、カッティングシートで再現。背景はLEDの全面発光。赤い長方形のユニットに青緑の文字パーツが組み合わされて、発色よく目立つ。

こっち向いて
こっち向いて
こっち向いて
こっち向いて

ディレクター/森野 晶人・甲野 善一郎
      [崇城大学芸術学部]
デザイナー/濱田 修正・江藤 滉祐・東 凌・宮崎 有佳
      西橋 沙希・渡辺 咲希[崇城大学芸術学部]
クライアント/久我 彰登[(株)鶴屋百貨店]
施工/崇城大学芸術学部 森野・甲野研究室
   (株)大洋工芸

鶴屋百貨店より依頼を受け、バレンタイン・デー用ウィンドウディスプレイを制作しました。「バレンタイン・デーが近づくと、思いを伝えたいけど恥ずかしくてなかなか声に出して言えない気持ちがあちこちで募っているはず。気持ちの大きさを表す様々な大きさの箱に詰め込んで、ハートシェープで見え隠れする愛の言葉の視覚化を試みました。」気持ちを表す言葉やハートシェープの切り出し以外は、箱制作からスタイロフォームによる文字の切り出しまですべて手作業にこだわりました。気持ちを伝えるという作品コンセプトは制作プロセスの途中にも存在しており、設営当日には、箱の設置後、ハートの貼付け作業を公開することで、徐々に「気持ち」をカモフラージュしていきました。設営当日も含め、道行く人たちが足を止め、写真を撮影したり、カップルが寄り添いながら見え隠れする言葉を声に出して読んでいました。特に立ち止まるまで少し距離のあったカップルが、ディスプレイの前で手をつなぐシーンは印象的でした。まさに、気持ちを動かすインタラクティブな作品となったことを実感しました。また、ウィンドウガラス面には、作品のメッセイージを白のカッティングシートで貼付けました。

Garden
Garden
Garden
Garden

デザイナー/白根 昌和・宮崎 沙綾
展示会主催者/神戸ビエンナーレ事務局
フォトグラファー/白根 昌和

神戸ビエンナーレ2013アートインコンテナ国際展に出展したインスタレーションです。
アートインコンテナ国際展は40ftのコンテナ(2400x2400x12000mm)の中に作家が自由に作品を制作することができます。
私達のアイデアは2つありました。まず1つめは、コンテナ内に人の動きによって変化する「おおきな万華鏡」をつくること。
そして、2つめは、世界で初めてのジッパー建築をつくることです。つまり、このミラーで彩られた多面体は全てジッパーで繋がっています。そして、「おおきな万華鏡」に多彩な変化を起こすため、面の一部が窓の様に開閉することができます。
この「おおきな万華鏡」をつくるためには薄くて軽い素材が求められました。そこで、折り紙を参照し、軽くて強い構造体を目指しました。また、重さ、施工性そして安全面からも鏡は使用できず、様々なテストをした結果、厚さ2.5mmMDFにミラーシートを貼ることが最適であるとわかりました。これまでの建築は、「固く、重く、動かない」ものでしたが、私達が目指す建築は全てを反転した、「柔らかく、軽く、動く」ものです。「Garden」はこの考えを基にした3作品目のプロトタイプになります。21世紀の建築デザインに相応しいコンセプトを実現するためには新たな技術が不可欠だと考えています。今回、レーザーカット、ジッパーそしてミラーシートとの出会いによって、この「おおきな万華鏡」は実現しました。

審査員特別賞
空間見本帳 cutting sheet展
空間見本帳 cutting sheet展
空間見本帳 cutting sheet展
空間見本帳 cutting sheet展

ディレクター/小沼 のりこ
デザイナー/細川 直祥
施工/椎名 太一・高橋 晋・斎藤 康隆
フォトグラファー/小林 雅央

カッティングシート®は、1966年の発売以来45年以上のロングセラー。中川ケミカルブランドのスタンダードとして、その色の美しさ、優れた加工・施工性から圧倒的な支持を得てきました。この展示では、カッティングシート®・レギュラーシリーズ(全165色)に光をあて、その魅力と表現の可能性の再発見を試みました。
床材や壁面材、天井など、空間を構成する様々な素材の上に貼ることが可能なカッティングシート®。この特性を表現するため、全長シリーズ約200mの帯を空間に展開させました。ガラスパーティション部分では、カットした色違いの細い線を裏表から貼ることで、グラデーションに見える表現を展示。本棚部分では、色の鮮やかさを生かし、光のバウンスでボックスに色をつけるという表現を試みています。また、切り文字とプリント表現の違いも比較、ガラス面ももうけました。
様々な素材の上を駆けめぐることで空間を色づけていくカッティングシート®の魅力や、カット・プリントなど加工との組み合わせで広がる表現の幅など「素材の可能性を体感できる展示空間」を目指しました。

中川ケミカル賞
RMK 2014 春夏コレクション “PLAY ON PINK”
RMK 2014 春夏コレクション “PLAY ON PINK”
RMK 2014 春夏コレクション “PLAY ON PINK”
RMK 2014 春夏コレクション “PLAY ON PINK”

ディレクター/平澤 太[(株)デザインカフェ]
デザイナー/小畠 衛[(株)デザインカフェ]
クライアント/(株)エキップ
照明計画/大柿 光久[(株)MGS照明設計事務所]
施工/明間 英延[(株)シービーケー]
フォトグラファー/小渕 喜幸[小渕喜幸写真事務所]

コスメブランド"RMK"による2014spring&summer collectionの会場構成である。
クリエイティブディレクターが交代し、初のコレクションである今回のプロダクトコンセプトは「PLAY ON PINK」
ニュアンスの異なるピンクの掛け合わせと、定評のあるラメによって生まれる、
万華鏡のような変幻自在で遊び心にあふれるメイクアップを提案している。
本会場構成では、MDを想起させる形状に切り取ったピンクを、万華鏡に見立てたアクリルレイヤーのオブジェとしてウェルカムウォールに設置。
透明感のあるピンクの掛け合わせを表現するためマテリアルとしてiromizuを使用し、変幻するPINKと輝きの世界・・プリズミックな表現を試みている。

Magical Sticker Geography
Magical Sticker Geography
Magical Sticker Geography
Magical Sticker Geography

企画制作/(株)アートフロントギャラリー
アーティスト/髙橋 匡太
施工/椎名 太一・高橋 晋・斎藤 康隆
照明デザイナー/川口 怜子
照明施工/(株)ハートス
フォトグラファー/村上 美都
クライアント/中目黒GT全体管理組合

Q. 色盲検査シートに様々な色の光を投射するとどうなるか?
〈Try. 〉見下ろしの視線をもつ場の特性を活かし、10色の星形カッティングシートによる「地上絵」を制作。フルカラーLED照明の様々な色の光を投射。多色のカッティングシートと光の色の組合せにより、図柄が現れたり、消えたりして見えた。本作品は、クリスマスに合わせ、近隣の家族連れ・子どもを対象に毎年開催されている「中目黒あかりまつり」の中で制作し、図柄はクリスマスツリーや雪だるまという親しみやすいものにした。クリスマスイブに開催したワークショップでは、たくさんの子供たちとシールを貼って絵を完成させ楽しいワークとなった。
〈Ans.〉色盲検査シートに様々な色の光を投射すると、色により目の前に見えているものの「色」や「形」が変わる。それを直接体験した子ども達には驚きと笑顔が満ちあふれる。「モノの色 ×光の色」はマジカルな色世界を作り出すことができる。

virth+LIM
virth+LIM
virth+LIM
virth+LIM

ディレクター/谷内 晴彦[desegno ltd.]
デザイナー/顧 海奈[desegno ltd.]
クライアント/(有)レスイズモア
施工/(株)中川堂
フォトグラファー/太田 拓実[太田拓実写真事務所]

東京南青山に2013年4月にオープンしたネイルサロン「virth」のファサード。建物の3階と4階に位置し、正面は全面窓ガラスのため、見え過ぎた店内を遮蔽する必要があった。
『自分の為のネイルから、人と繋がるネイルへ。』というサロンのコンセプトから生まれたロゴを用い、一本のラインを繰り返し繋げることで、隠す必要のある場所とそうではない場所を白とフォグラスを使用して区分した。『隠しながら見せる』という機能と、店舗のアイコンとしても成り立つ、ネイルアートのようなファザードに仕上がった。